ホーム > 製品情報 > ABILITY 3.0 > アーティスト




作編曲家・ミュージックスクール講師の星和生さん。

アーティスト・声優・アイドル・アニメソングをはじめ、ヒーリングミュージック・CMソングなど幅広いジャンルの作編曲家として活動をされる星和生さんに、ABILITY 3.0の魅力をインタビュー。



DTMを始めたのは作曲をする上で自然の流れだった。
━ 作編曲家として様々なアーティストに楽曲を提供されていますが、音楽に目覚めたきっかけを教えてください。
中学生から高校生の頃にかけて、洋楽や邦楽を問わずポップスやロック系の音楽を色々聴いていました。
最初は聞くだけで十分満足していましたが、徐々に楽器を演奏してみたいなとか、曲を作ってみたいなと思い始めました。

━ では、最初に手にした楽器はなんでしょうか?
いろんな音楽を聴いていましたが、ギターの音がかっこいいなというところから音楽に目覚めたので、最初はギターから始めました。


━ その頃に影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか?
邦楽だとB'zです。
それと、洋楽の乾いた感じのアコースティクギターの音も好きだったので、シェリル・クロウやアラニス・モリセットをよく聴いていましたし憧れでした。

━ バンド活動もされていたのでしょうか?
はい。
学生時代はポップス系のオアシスやボニーピンクなど、そういったジャンルのコピーバンドを色々やっていました。

━ どんな感じで作曲を始めたのでしょうか?
音楽に目覚めたきっかけがギターだったので、最初はギターの弾き語りのような形で作っていました。
ただ、それだけでは段々と満足しなくなり、ギター以外のいろんな楽器も使ってみたいなと考えるようになりました。

そこで、一人で色んな楽器を操ることができるということでDTMを始めました。

━ 当社の「Singer Song Writer」でDTMを始められたそうですが、購入したきっかけを教えてください。
今と違って当時はDTMの情報も少なかったので、実際にパソコンショップに行って、値段とか自分でも使いこなせるかな?とか考えながら選びました。

「Singer Song Writer」はパッケージを見ている時に、その他のソフトに比べて画面とかが見やすく、分かり易いなという印象を感じたので選びました。
多分、Singer Song Writer Liteの3か4だったと記憶していますが、日本製なのでサポート面とかの安心感もありましたね。


コンペやデモであっても、アレンジやミックスまで自分の持てる力をすべて使って完成度の高いものを作る。



━ DTMを始められたあと、作家になるまでの経緯を教えていただけますか?
DTMを始めてから数年である程度楽曲が貯まったので、オーディションへ応募したり、音楽事務所へ送りました。
たぶん、20~30ぐらいの音楽事務所に送ったかと思いますが、全然返事が返って来ませんでした(笑)

でもそこから、何が悪かったのか?何が足りなかったのか?など、いろいろ考え直して曲のクオリティあげて再度チャレンジしていくうちに、何社からか返事をいただくようになりました。

その縁があって、23か24歳ぐらいの時に作家事務所に所属して、楽曲コンペにも参加できるようになりました。

━ 最初に採用された楽曲は覚えていらっしゃいますか?
もちろん、忘れもしないです。
テレビ東京で放送されていたアニメ番組「陰陽大戦記」のエンディング曲でした。

私は作詞と作曲を担当したのですが、自分の曲に編曲家のアイディアやアーティストの歌が入ることでどのように作品が完成していくのかという過程を知ることができたのが、とても勉強になりました。

━ コンペに楽曲を提供される場合はどこまで作り込まれますか?
曲のデモとは言っても、簡単な歌とピアノだけとかでは判断材料として厳しいので、アレンジやミックスまで自分の持てる力をすべて使って完成度の高いものを作るようにしています。

気をつけている点としては、歌ってくれるアーティストやそのファンがあってこその楽曲提供なので、自分が好きな曲を作るというよりはそのアーティストに合う曲とかファンの方が喜んでくれそうな曲だとかを意識して作曲するようにしています。

━ メロディーはどんなふうに作っていますか?
第一は歌って作ることです。
私は歌はうまくはないですが、やっぱり人間が歌えるメロディーでなくてはいけないので、メロディーをひたすら歌って作っていますね。

あと、もう少し深いことをつけ加えるとするならば、つけるコードによってメロディーのイメージが変わってくるので、コードの何番目の音をメロディーが辿っているとかそういうことも意識しながら考えていきます。

━ では、今まででもっとも印象に残っているコンペはありますか?
少し前になりますが、ソン・シギョンさんという韓国のバラード歌手に提供させていただいた「思い出」という曲です。
ソン・シギョンさんは実力派の歌手で本当に歌が上手くて、自分の曲がこんなにもよくなるんだということで感動しました。
自分の曲だというのに日常生活でも何度も何度も聴きなおしてしまうぐらい、とても印象に残っています。

━ アイドル系、CMソング、ヒーリング系など様々なジャンルで楽曲提供をされていますが、それぞれ意識されていることはありますか?
まずは、アイドル系ですとフレンチキスさんや平野綾さんなどに提供をさせていただいています。
アイドル系のアーティストの方だと可愛い感じの曲が求められていると思うので、そこは意識しています。
今までの音楽経験の話にもなりますが、私の親が松田聖子さんとか往年のアイドルが好きで、小さいころ車の中でもよく聴いていました。
もちろん今でも松田聖子さんの曲は好きなので、可愛い感じのメロディーは自然な感じで自分の中から出てきますね。

CMは、高須クリニックのCMソングです。
CMはわずか15秒ですが、その限られた短い時間の中で表現する必要があるので、キャッチーで覚えやすいことを念頭に作りました。
歌詞も自分で書きましたが、過去のCMのイメージも頭に残っていたので、そこも意識しながら作っています。

ヒーリング系はやはり癒しですよね。
聴いていて心地よいというのが大事なので、パッドとかの音で白玉だけでも気持ちよくなるようなコード進行から作って行き、その上に割とアドリブ的にきれいなメロディーを乗せて行く感じで作っています。
今では日本でもストリーミングのサブスクリプションのサービスが増えてきて、BGM的に聞くことに適しているので、再生回数も増えてきています。


ABILITYは、初心者におすすめの機能、上級者におすすめの機能、さらには音楽を教える際にも活用できる機能が揃っている。
━ 話が変わりますが、お使いいただいているABILITY 3.0 Proの印象はどうでしょうか?
Singer Song Writerの系譜を継いでいるのでもちろん使いやすいというのがありますが、自分にとって一番大きいのは、音源としてIK Multimedia のSampleTankがついたことによって凄く音に高級感が出た点ですね。
本当に上級者でも満足できるような音源がついたなというのが第一印象です。

次いでコードパッドですが、これは秀逸ですね。
元々アレンジ機能では、テンションが入ったちょっと難しいコードなどを入れてそれを元にアレンジを進められたので便利でしたが、コードパッドにはダイアトニックコードとかダイアトニックに関連するセカンダリードミナントだとか平行調とか同主調とかも載っているので、ただ単にコードネームを入れるというのではなくて、作曲のアイディアを練るにも非常に便利になったなと思います。



私自身の利用方法という訳ではないのですが、私はミュージックスクールWOODで講師をしています。
DTMに関しては本当に初歩的なソフトのインストールの方法とか初期操作も教えていますし、慣れている方にはそのDTMソフトならではの特殊な機能とかミックス面なども教えています。

作曲面では、スケールのことや簡単なコードの構成音の見つけ方とか、メロディーの作り方とか、初歩的なところから教えています。
さらに、もう少し上級者の方にはいろんなジャンルの作曲方法、編曲方法などを教えていますが、例えば、生徒さんはダイアトニックコードをすべて把握している訳ではないので、ホワイトボードで説明するのではなく、このコードパッドを使って画面上で音を出しながら説明ができるので、イメージも伝わりやすくなっているかと思います。

━ 講師をされているというお話が出ましたが、学校でABILITYを採用していただいている理由を教えてください。
ABILITYやSinger Song Writerは、譜面入力がやりやすいというのが特徴かと思います。
ピアノ経験者とか楽譜に強い方には特におすすめなので、レッスンに使用しています。

インタビュー動画でも少し説明をしていますが、例えばスコアエディタで一つの旋律を別トラックにコピーしてその音程を変更させることでコーラスパートが作成できます。
譜面が見やすく、譜面上での音符入力や編集がやりやすいというのは、他のパートを作成したりアレンジを考える上で非常によいことだと思います。



━ 授業ではどのように使用されていますか?
作曲の授業では、ただメロディーにコードをつけるだけでなく、ベーシックなドラムとかベースが入っていた方が曲の方向性が分かりやすいですよね。
ですから、生徒さんが作った簡単なメロディーとコードを入力した後に、曲の大まかなイメージが分かるようにその場でメディアブラウザとEZアレンジ機能を使って伴奏パートを作っています。




上級者は作編曲をしながらある程度音作りをしていくことが多くなっています。
3.0になってチャンネルリンクやVCAリンクのミキサー機能が使いやすくなったのは非常に良いと思います。
エフェクトに関してもいろんな種類のエフェクトが増えて、今までよりも選択肢が広がったのがいいですね。

━ おすすめの機能やテクニックがあればお願いします。
例えば、ストリングスの抑揚をつけるときにエクスプレッションでやるという手もあると思いますが、最近だとボリュームのオートメーションでやってしまうことが多いです。
音の大きさに関する編集操作は、スコアエディタのストリップチャートのエクスプレッションで編集するよりも、ミキサーやソングエディタを使って一括で操作する方がやりやすいと私は思っています。
ダンス系の曲では、SEの音をコントロールする際もオーメーションをよく使っていますね。
オートメーションを書くときなどは、外部のコントローラを使用すればマウスで操作するよりも飛躍的に簡単にできます。

あと、案外気がついていない方も多いかもしれませんが、ABILITYは出力ポートにサブポートがありますよね。
同時に2つのポートに出力ができますが、音に厚みが欲しいなというときにはメインの音程のしっかりしたベースにサブポート機能を使って、ボワーンと鳴っているベースを重ねたりします。
これだけでグンと音に厚みをつけることができますね。

━ では、最後に最近の活動でお伝えしたいものがあればお願いします。
最近では、俳優の松村龍之介さんに楽曲提供をしました。
「好きで 好きで 好きで」という曲になりますが、ぜひお聴きください。

タイトル:好きで 好きで 好きで エムカード)
作詞:山崎あおい 作曲:星和生 編曲:池田大介




【星和生さんプロフィール】
作編曲家・ミュージックスクール講師。

高校時代からギターとバンド活動を始める。
その後、職業作曲家に興味を持ち、DTMと作曲活動を始め、プロとしてデビュー。
現在は、アーティスト・声優・アイドル・アニメソングだけでなく、ヒーリングミュージック・CMソングなどジャンル問わず幅広く作編曲家として活動している。
またミュージックスクールWOODでは、作曲・DTMのレッスンを担当し、多くの生徒に音楽を作る楽しさ、DTMの楽しさを伝えている。



<主な楽曲提供先>
フレンチキス(AKB48派生ユニット)、平野綾、リュ・シウォン、ソン・シギョン、美郷あき、TVアニメ「ラブライブ」キャラクターソング、TVアニメ「黒子のバスケ」キャラクターソング、「高須クリニック」CMソング。

<ヒーリングミュージック配信中>