PitchShiftRTは、音のピッチ(音程)を単位で、リアルタイムに変更します。このLessonでは、女性ボーカルのピッチ(音程)を変更してみました。
*ミキサーのINSERT(インサート)セクションに設定することが可能で、リアルタイムに再生ピッチ(音程)を変更することもできます。対象データのサンプリング周波数が22.05KHzより低い場合は使用できません。
編集前
編集後
*編集前と編集後の違いは、ステレオヘッドフォンで試聴するとよりその効果がわかりやすくなります。
操作手順
- データを読み込みます。
- 範囲選択します。
*データ全体にエフェクトをかける場合には、範囲選択する必要はありません。
- エフェクターに「PitchShiftRT」を設定します。
加工メニュー「エフェクト」から「PitchShiftRT」を選んでクリックするか、または、プレイパネルにある
Effectボタンをクリックすると表示されるリストから「PitchShiftRT」を選んでください。
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各コントロールのスライダー/ノブを、お好みに合わせて調整し、PLAY(試聴)を繰り返しながら、データに合う値を決めてください。
ワンポイントアドバイス
2つの周波数比からセント値を求める
データ全体のピッチを、ピッチシフトを使って変更することができます。ただし、ピッチシフトはピッチの変化量をセント(cent)で指定するため、基準のチューニング周波数と変更後の周波数の変化率からセント値に換算する必要があります。
例として、元のチューニング周波数が 440Hz のデータを 442Hz に変更する場合のセント値を計算してみます。
2つの周波数 f0(Hz) と f1(Hz) の割合Rをセントで表現すると、以下のような計算式になり、
R(cent) = 1200 * log(f1/f0) / log2 (ここで log は10を底とする常用対数)
ここで、f0=440Hz, f1=442Hz を代入すると、求めるセント値は、R(cent) = 1200 * log(442/440) / log2 = 7.85 セントとなります。(以上の計算は、Windows のアクセサリにある関数電卓を使って計算できます。)
ピッチシフトで入力するセント値は整数のため、適宜、四捨五入などで値を丸めて入力してください。
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データに合う値が決まったら「OK(実行)」をクリックします。波形が変化したことが確認できます。
聴いてみましょう。
処理実行後、データを元に戻したい場合は「編集」メニューから「元に戻す」をクリックしてください。
*データ保存後は元に戻りません。
- 保存します。
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